自由帳

人に見られる自由帳

eeic走馬灯(デバイス系かつ怠惰学生ver.)後編

この記事は後編です。前編はこちら

6学期

3年生も後半になり、学科同期ともよく話すようになりました。
一方で授業はより専門的に分化し、全員で同じことを勉強するということはなくなっていきました。

VLSI工学基礎

VLSIの設計や製造までかなり具体的で専門的な内容の授業でした。
VLSI自体には特に興味がなかったのでぼんやりと聞いていました。
ただし試験はめっちゃくちゃ難しい。


電気電子情報実験(後期実験)

後期実験は前期実験とは異なり、自分でやりたい実験を選ぶことができます(それを出来るとは言っていない)。
なのでまずモチベーションが前期実験とは違っていて、かなり真剣に、そして楽しみながら取り組むことができました。
僕は

  • フォトニクス実験
  • 材料を見る
  • キャリア統計と輸送現象
  • プラズマ
  • 核融合・宇宙プラズマ
  • マグネティクス基礎

をやることになりました。
いくつかマジで虚無になる時間がある実験もありましたが、まあだいたい面白かったです。
ただしレポートは大変。


国際経済学

なぜ我々が経済を学ぶのか。
点数があるから。
シケ対ありがてえ。

電磁界応用工学

電磁波に関する色々なアプリケーションについて勉強する講義でした。
集塵装置とか有限要素法とかMRIとか静電気による事故とかをやった気がします。
同期が作成したシケプリがやばい。

情報工学

前後半で先生が変わりました。
光学を広く扱う授業で、講義資料などが充実しており、光についてたくさん勉強したいという人はこの講義を一生懸命やるのがいいと思います。
修士になってもこの授業の資料をよく参照したりします。
試験は難しかったですが。


電子物性第一

結晶構造を持つ物質に関してその物性をゴリゴリ板書で扱っていく授業。
僕はあまりちゃんと受けてなかった気がしますが、バンド構造とかブロッホ関数とか周期場でのシュレディンガー方程式とか永年方程式とかやってました。
院試を電気系で受けようという人はちゃんとやっておくと良いです。

電子量子力学

こっちはちゃんと受けてた気がします。
いわゆる量子力学で、ブラケットとかが出て来ます。
あとはシュレディンガー方程式を近似して解く方法などがメインだった気がします。
生成演算子や消滅演算子などもこの授業の範疇です。小テストで量子演算を繰り返しやらされるので授業に出るだけでも計算は身につくと思います。
後半は色々とヤバかった……


電離気体論

気体粒子の振る舞いについて勉強した。
なぜ力学みたいなことを電気系でやるのかというと、ここでいう気体粒子は電子とかプラズマとかだからですね。
あとは放電とかもやります。
教科書が読み物としても面白いです。

光電子デバイス

僕がシケ対をやりました。
光と電子の相互作用に関する講義なのですが、前半はそれにまつわる色々なデバイスについて、後半は主に化合物半導体とレーザーについて勉強します。
後半の担当は電磁波工学の先生です。あっ(察し)、ふーん。
単位は確実に取れるのでそこからどれだけ詰めるかは学生のやる気次第でした。
僕はこの分野に一番興味があったのでそれなりに勉強して、それなりにいい成績でした。
後半の授業スライドについてですが、修士になってから見返すと実はとてもよくまとまっていて良いスライドだったという気づきを得ました。学部3年には厳しい。


電子回路Ⅱ

初回だけ出ました。僕に電子回路は無理です。
試験は授業に全部出席して試験勉強をしても解けないので諦めましょう。
天才なら解けます。

電子情報機器学(BDM)

ビックリドッキリメカ。
入力を受けて電気的な処理をしたのちに出力をする装置を実際に作るという講義。
僕のグループは「強風に煽られて壊れそうになると自動で閉じる傘」を作りました。
電子工作もどきでしたが僕はこれで初めて実際に動く回路を作りました。遅い。


電気機器CAD演習

電動機のシャフト部分の図面を手で書いた後に電動機全体の図面をCADソフトで書く実習系講義。
最後までやりきれば単位と点数が約束されます。もはや修行でした。
やり遂げた後には外部からの講師の先生と固い握手をかわしながら「世界一のエンジニアになりますッ!!」と叫ぶことが求められます。


メディアコンテンツ特別講義Ⅱ(utmc2)

メディコン2。
基本的にutmc1と同じですが、内容がより工学よりに、具体的になります。
僕はそういう具体的な実装や原理などよりもメディア・コンテンツに関する思想的・哲学的な話を好んでいたので退屈な回が多かった気がします。

obenkyo

6学期もシケ対はちゃんと機能していました。
が、それとは別に、有志で集まったメンバーがそれぞれ担当する授業でやった内容をスライドにまとめて発表するというobenkyoなるものが行われていました。
僕は光電子デバイスの担当として参加していました。
メリットとしては、

  • 担当する授業内容について他人に説明できるぐらいに勉強できる。
  • 自分とは違うコースの授業について知ることができる。
  • スライド作成・プレゼンの練習ができる。

というものがあります。当然この準備のために相応の時間をかけなければなりませんが、それでも結果的に参加して良かったと思います。

その他

この頃にデレステがリリースされて、僕もそれからしばらく経った後に始めました。
温泉ちえりーなはどこ……?
控え室でオタクが集まってデレステをやっていたのが懐かしいです。
僕の担当は木村夏樹です。あと桃井あずき、和久井留美、槙原志保...

6学期まとめ

実験にBDMにobenkyoに授業にとなかなか忙しい日々でしたが、とても充実した生活を送っていたと思います。
個人的には一番楽しいタームでもありました。
しかしながらここまでの成績はあまり良いものではなく、いくつか頑張って良い点数を取った講義もありますがその他は基本的に良か可だったので、研究室配属にもあまり期待していませんでした。

6学期後の春休み

全ての期末試験も終わり、志望研究室調査書も提出すると晴れて春休みです。
研究生活が始まるとちゃんとした長期休暇がなくなると思っていたので、当時の自分にとってはこれが最後の長期休暇となるわけですね。
というわけで充実した春休みにしようと頑張りました。

spring_obenkyo

#spring_obenkyo
6学期に行われていたobenkyoの派生として開催されました。
基本的にはobenkyoとやることは同じですが、メンバーがスライドにまとめてくることは全くの自由で、それぞれが自分の趣味であったり気になって調べたこと・勉強したことなどについて発表をしました。
僕はポケモンについてのおおまかな歴史とポケモンバトルを見て楽しめるようになるための講義、あと「ゆゆ式をめぐる冒険」というのを2回やりました。
皆さんもゆゆ式を観ましょう。
他の人は基本的に自分の趣味に関連した内容で、何人かはプログラミングのこと(Javascript?)やデータベースの扱いなどについて発表したりしていました。
ある人は経済に目覚めて企業の投資家向け情報の見方や日銀の経済政策についてめっちゃ勉強して発表してました。
obenkyoもspring_obenkyoも発案者はまざっち(@mazamachi)で、彼曰く「ライトニングトークみたいなことを学科同期の間でやってみたかった」らしいです。
場所は主に総合図書館を利用していましたね。


キッテル輪読

キッテルわかりキッテル。
spring_obenkyoからさらに派生して、デバイス系の何人かでキッテル固体物理学入門の上下巻を輪読するというのを週1ぐらいでやっていました。
メンバーごとに担当する章を決めて、担当者はホワイトボードやスライドを使ってその章の内容を参加者に解説、質問があれば適宜議論をする、という感じでした。
また章末問題のうちいくつかを来週までの宿題として解き、輪読会の初めに答えあわせをするということもやっていました。
扱った範囲は授業でやったことの復習だったり逆に全く初めての内容だったりしました。
途中で自然崩壊するかと思っていましたが最後まで全員やりきっていたと思います。
キッテルはわかりにくいということで評判ですが、まぁわかりにくかったです。


7学期

春休みも終わり、ついに研究室での生活が始まりました。
これまでの走馬灯で見てきたとおり、僕の成績は悲惨なもので、配属された研究室は第4希望のところでした。
また便乗元は7学期以降は授業を受けていなかったみたいですが僕はなぜか受けてました(単位は余裕で余っていましたが)。

電子材料プロセス

バイス系の研究室では何かデバイスを作成してその評価をするというのが研究の主な内容になると思います。
バイスを作成することを fabrication process と言ったりしますが、そのプロセスで利用するあらゆる実験装置の原理や仕組みを紹介してくれる講義です。
知っておくと実際にプロセスをする際に何に気をつけなければいけないのかを知ることができたり、こういう測定手法があると頭に留めておくことができたりと、結構お役立ちな講義だったと思います。

量子エレクトロニクス

これは電気系の授業ではなく工学部6号館で開講している物工の授業で、発光デバイス(主にレーザー)について理論的なところかしっかりと扱う講義だったと思います。
僕は聴講してました。
はじめの方はなんとかついていけていましたが後半になるとよくわからないことが増えて、最後の方は出てなかったと思います。
物工の人はすごいなぁと思いました。

卒業研究

学士の取得は「参加賞」とか「バッターボックスに立てばもらえる」とか言われますが、まあ実際そうなのかもしれません。
ただしそもそも人はバットを振る気がなければバッターボックスに立たないので、最低限「研究(類似行為)をしよう」という気持ちは必要なのかもしれません。
僕の卒業研究ではシミュレーションによるデバイスの最適化とデバイス作成・評価を行いましたが特に成果も出ず、「まぁこんなもんなのかな」と思いました。
とは言っても同期でも何人かは論文を出したり学会発表を行なっていました。
今考えると、卒業研究で何か成果を出したければとにかく早く始めるのが重要だったと思います。どんどん研究室の先生にアプローチして相談しテーマを決めて、先行研究をグワーっと勉強して、計算でもプロセスでもとりあえず手を動かしてやってみるとB4が終わる頃には何か結果が出ているかもしれません。
またそれぐらいの勢いで始めてしまえば、そもそも自分が研究に向いているのかの判断もしやすく、とりあえず院試を受けるということもなくなるかもしれません。
……というのはおそらく多くの人が言っていることなので「あ、そっすか」ぐらいに受け止めもらえばいいです。

院試

院試勉強は計画的にやるということに尽きます。
僕は色々とアホだったので院試勉強の大半を10日間でやる羽目になりました。
精神的にもかなり限界を攻めていました。ほんとバカ。
今でもなぜ受かったのか謎です。

卒業

卒業論文を提出して defenceを10分やればそれで卒業です。
eeicでの生活もあっという間でした。
卒業式ではeeic2015の同期と写真を撮ったり、しばらく会っていなかったサークルの仲間と偶然再会したりしたのを覚えています。
卒アルはよく考えて買いましょう。とてつもなく重いです。学科PCより重かった気がする。あれいる?

最後に

前編から後編までとても長かったですが僕のeeicでの記憶を走馬灯として巡ってきました。
とりあえずこれを読んだeeicの人にちゃんと勉強しようと、充実した学科生活を送ろうと思ってもらえたら幸いです。
ここまでありがとうございました。

僕は修論執筆に戻ります。