自由帳

人に見られる自由帳

eeic走馬灯(デバイス系かつ怠惰学生ver.)前編

この記事は eeic Advent Calendar 2018 その2 の6日目の記事として後日書かれたものです。

概要

便乗記事。便乗元はこちら↓。
eeic走馬灯 - /dev/null/onishy

はじめに

気づけばもうM2で、上手く行けばもうすぐ卒業できます。eeicに入ってから今まで色々なことがありました。eeicは授業と課題が多いことで有名です。eeicで取得した単位数は実に90単位以上に登ります。惜しくも100単位に足りません…が、そのうち一体どれくらいが本当に役に立ったのか…?
M2になり、もうすぐ卒業というところで一度振り返ってみたいと思います。あくまで個人的な感想ですし、デバイス畑の人はもっと違う感想だと思います。それに無論人生は長いのであくまで「今のところ」ではあります。
B2・B3の皆さんなんかは、「こんなに授業取ってホンマに全部使うんか?W」と思っているかも知れません。差し迫った問題意識がないと人はだいたいあまり勉強しません。eeicの授業をただ惰性で受けていてもあまり身につくことはないでしょう。僕ももう少し勉強しておけばよかったと思ってこの記事を書いています。これを読んでもう少し勉強しようという気分になってもらえれば嬉しいです。

eeic走馬灯 - /dev/null/onishy

同期のおにっしーが書いたeeicでの生活を振り返る記事を読んで面白かったのでデバイス系の場合も書いちゃろと思い、空きの多い「その2」にエントリーしました。
これは僕が見た走馬灯なのでちょくちょく自分語りが挿入されます。ご容赦下さい。
またこの記事は便乗元に従いですます調で書きます。

まず自己紹介。

  • eeic2015(電気電子工学科)
  • コースは【ナノ物理・光量子・バイオ】(B1コース)
  • 特に役職は無し(光電子デバイスという授業のシケ対をやりました)
  • 成績は平均以下
  • 学部時代の研究はLEDをいじるもの
  • 修士では小さいレーザーの研究

をしていました。
基本的に真面目に勉強をしなかったので成績は悪かったです。B2やB3の学生で「自分あまりちゃんと勉強してないな」という人の参考になるかもしれません。

走馬灯本編

4学期

知っての通り当時は研究室配属が合計点制度であったためほとんどの学生が全ての授業に出ていました。
そのため基本的に便乗元と同じ内容になるので割愛します。
と思ったのですが今の立場から見てどうだったかという感想は便乗元と異なるかもなので書くことにしました。

自己紹介

同期(eeic2015)全員に対して自己紹介する機会が2回あった気がします。
初めての自己紹介で

4学期が始まる前の夏休みに胃腸の調子が悪く病院で医者に診てもらったら特に薬などは処方されず「元気を出そう」とだけ言われました

みたいなことを話して少しウケたのを覚えています。

生命科学概論

虚無。狭い。1限。無理。


電気磁気学

デジンキ。
電気系としては絶対に避けては通れないが最も難しい授業の一つだと思います。
授業に出て課題をやっても、試験勉強をしても、院試でまた勉強しても、未だによく「電磁気わかんねえ」となります。
とはいえ計算して答えを出していけばそれが点数になり単位になったので気はラクだったかも。


数学(数学1E)

便乗元は数学1Dを履修していたようですが僕は数学1Eを履修していました。
微分方程式をメインにやっていた気がします。?なぜか毎週のレポートを英語で書かされました。

数理手法I

スウリシュッホホ。
数理手法にはいくつか種類があります。
僕が履修していたのは『Excelによる統計入門』という教科書に沿って、実際の統計データを自分でexcelを用いて統計的に処理するというものでした。
最初の頃は「できる! Excel」みたいなノリでExcelの使い方を授業で学ぶという、控えめに言って激ヤバな授業の様相を呈していましたが、実際にデータを統計的に処理する段階に入ると案外面白く、大量のデータを処理してそこから統計的な意味合いを見出すという作業を一通り体験できるものでした。
これはかなり潰しが効く内容で研究にも仕事にも趣味にも使えるんじゃないかと思います。

情報通信理論

バイス系だと情報量とかエントロピーとかはあまり使わないですし当時からほとんど授業は聞いてなかったです(そもそも1限で出られない)。
ただし院試では情報を選んで勉強しました。面白そうだったので(ちょっと面白かった)。

電気電子計測

測定に関することを広く浅く具体的に、ゆたか に、勉強しました。課題は軽めだったので印象が薄いです。
先生が1年に一度しか髪を切らないということだけは覚えています。あとデシベル
学生実験では度々この講義の教科書を参照した記憶があるので教科書は持っておくと良いかもしれないですね。


信号解析基礎

この授業はわかりやすくて評判だったのだけれど自分にとっては少しわかりにくかったです。
授業最終回に授業内容をまとめた図を描くのですがそれを先に示して帰納的に話をして欲しかったですね(ワガママ)。
内容はめっちゃ大事です。フーリエ変換などのデータ処理はおそらくどんな分野に進んでも確実に使うことになるんじゃないですかね。

電気回路理論第一

ロリ論。
前後半ともにとにかく板書していた。
前半の木とかグラフとか(最初は「木」じゃなくて「ホ」だと思ってました(「ホ」ってなんだよ))はよくわからなかったです。
あれはパワー系とか電力系の人は使うんでしょうか。
後半の回路特性は具体的な話も多く結構理解できていた気がします。
ただし僕は後半の後半、伝達関数とかF行列とかはずっとちんぷんかんぷんでした。回路に縁がない。


電子基礎物理

便乗元に書かれている通り、前半が量子力学の基本で後半が統計力学の基本です。
個人的には面白さは特にありませんでしたが、「自分はデバイス系に行くだろう」と思っていたのでなんとかついていこうと頑張っていました。
前半はシュレディンガー方程式とか井戸型ポテンシャルとか、前期教養の「量子化学」の延長のような雰囲気で、理解もしやすかったです。
ただし試験はさっぱり解けませんでした(ネット検索が許されていたのに)。
後半は大まかな流れだけは追えていた気がしますが課題とか授業中に解く問題とかはあまり分からなかったですね。
分からなさすぎて途中から諦めてました。
自分の研究では光と電子の相互作用がメインの背景物理なのでこの授業はとても大事です。
半導体に関わる場合はこの授業でやった話を少なからずおさらいすると思います。

ディジタル回路

先生がTwitterで質問を受け付けていました。
正直、この授業でやってることはどこにつながるのか全く分からなかったです(今もよく分かってない)。
そのせいでやる気も起きず試験前に教科書をざっと見て過去問をやる程度でした。
なんか自動販売機をモデル化したオートマトンを試験で作らされた気がします。プログラミングと何が違うんですか?
授業内容はハードウェア系の研究をやるなら必須だと思います。


ソフトウェア1・2 / プログラミング基礎演習(C言語

この授業で僕は初めてプログラミングを経験しました。そういう人も多いと思います。
毎週全く知らないことを授業で紹介されてそれに関する課題を提出する形式で、かなりスパルタに感じました。
基本的に一週間のうちほとんどをこの授業の課題に対応する時間が占めており、好きか嫌いか、何のためなのか、などと考える余裕すらなかったです。
ただそのおかげか、個人的には中間試験ではソフトウェアの試験が最も出来が良かったです。
その後、趣味のプログラミングでC言語を使えたりしたので頑張って良かったなと思いました。
特にこの科目はシケ対(プロ)が実質TAのような感じで、分からないことはその場で直接質問できたのが良かったです。
個人で独学しようとするとこのスピード感はなかなか得られないと思います。
期末試験前に課題をやるため駒場の和館で合宿したのも良い思い出です。

エネルギー工学

北海道での大地震によって道内全域停電が起きたのも記憶に新しいですが、この授業では確かそういう大規模な送電網のお話とかをしていたかもしれないです。
授業は先生の作ったwordファイル(ほぼ全てがテキスト)の編集画面をスクリーンに映しながら先生がひたすら話し続けるといったスタイルで、ほとんど聞いてませんでした。
ただ三相交流や無効電力といった話は繰り返し出てきて覚えています。

電子デバイス基礎

おそらく4学期の授業の中で最もよく勉強し最も頭に残ったのがこの授業だと思います。
前半は半導体の基本的な物理からpn接合によってダイオードとしての特性を得るところまでを、後半ではトランジスタについてを勉強しました。
バイス系の人間にとってはこの授業がすべての源流になるのではないかと思います。
またデバイス系でなくとも、実験や実装でダイオードトランジスタを用いることは少なくなく、この授業は役に立つんじゃないかと思います。
先生も熱心に教えようとしていて実際わかりやすかったと思います。

電気電子数学演習

「工学系の数学」という教科書をひたすら進めていく授業。決められた範囲を毎週解いてきて学生の誰かが回答を板書してそれを先生とチェックしていくというスタイルでした。
基本的に暇な時間が多かったのにもかかわらず、教室には電源も無くろくに電波も入らないのでかなり虚無でした。
その割に内容は結構大事だと思います。微分方程式はなんだかんだ色んなところで目にしますし。

その他

この頃に 大乱闘スマッシュブラザーズfor3DS や ポケットモンスターオメガルビー/アルファサファイア が発売されたと思います。
僕もこの2つのゲームを買って、授業の合間の休み時間に友人とスマブラで対戦したり、ポケモンのストーリーを進めたりしていました。
とにかく膨大な量の授業とその課題に追われる生活でしたがこういったもので息抜きしていたと思います。

4学期まとめ

とにかくひたすら座学で明らかに身体には悪い環境でした。自分で時間を作って運動したり、ちゃんと栄養を取らないともちません。
そのくせ授業内容は(今からすると)とても重要なものも多く、人によっては最もタフなタームかもしれないです。


5学期

通うキャンパスが本郷に変わり学習環境が大幅に向上しました。やる気も出るというもの。
しかし同時に前期実験が始まりレポートに追われる日々が始まりました。
控え室狭すぎ(あるだけマシですが)。

五月祭

当時は五月祭の学術展示部門でeeicが何連覇もしていて、この年も力が入っていたと思います。
実際に五月祭を運営するのは4年生なので、3年生は基本的にその手伝いをしていました。
僕は13号館の高電圧実験で解説員をしていたと思います。
皆さんも五月祭に来たら13号館で高電圧を体感しましょう。


制御工学第一

月曜1限だったうえにそもそも内容に全く興味が持てませんでした。
そのため授業に出たのは確か初回だけで、試験勉強も前日に2〜3時間やった程度で文句なしの不可でした。
僕がこの大学で不可を取ったのはこれが最初で最後です。それだけどうでもいいと思ってました。
今でも多分勉強しようとは思わないでしょうね……

電気機器学基礎

キキキ。
電動機や発電機などを扱う授業、だったはずです……
何というか、わかってる人にはわかる、わからない人には皆目わからない、という授業の典型でした。
一応ラプラス変換などロリ論と通じる部分はあるのですが、フェーザ(phasor)表示でゴリゴリ議論が進められていく光景はヤバさしかなかったです。
フェーザ表示なんて長年にわたる研鑽を経てある時ふいに分かるようになると言われているのに学部3年で理解するのは無理です(わかる人はわかります)。

電気電子基礎実験(前期実験)

電気系の基礎的な内容を凄まじい勢いで実験させられました。
はんだ付けに始まり、オシロの扱い、ブリッジ回路、pn接合ダイオードトランジスタ、ディジタル・アナログ回路、高電圧放電、電動機、そしてCによる音声通信の実装。
僕が学部3年だったのは2015年でしたが、そこから3年でかなり内容が(学生の負担が減る方向に)変わったと聞いています。
おそらく多くの学生はこの前期実験で自分が進むコースを絞っていくのではないでしょうか。
Cによるネットワークプログラミングは課題を進めていき、最後にグループごとにskypeもどきのようなものを実装・発表するというものでした。僕はというとskypeもどきの実装のほとんどはペアの班員に任せてそれを横から眺めてました(見かけ上はペアプログラミング)。
pn接合ダイオードトランジスタについてはそこそこ理解が追いついていたと思います。トランジスタとかもうほとんど忘れてますが。
ディジタル回路は先述したように授業での理解はほとんど得られませんでしたが、ブレッドボードにチップを置いてD-FFや加算回路を実際に構成して動作させるのは面白かったですね。その時は「あれ、ディジタル回路って面白いかも?」と思いましたが実験課題が装置の不具合(見えないバグ)で最後まで出来なかったので「やっぱディジタル回路とかいうの無理だわ」となりました。
アナログ回路では唐突にオペアンプなるものを渡されて増幅器だの反転増幅だのフィルター回路だのをシミュレーションして作って動かしてという流れをやらされました。本当に最初から最後まで何もわからなかったです。今でも「オペアンプってなに?w」という感じです(それでも電気系を卒業できる)。諮問で先生が言ってることも他の班の人が議論してることも1 mmもわからず、先のディジタル回路実験も含めて回路に対する苦手意識が完全に植え付けられました。僕にオペアンプを教えてください(何ならもう一度この実験をやりたい)。
その他はそれなりに大変でそれなりに面白いという印象でした。


コンピュータアーキテクチャ

コンピュロピュロアッキテクチョ。
CPUでどんな処理がされてるのかが何となーくわかる講義、といった印象。
この分野には深入りしないだろうなと思っていたので教科書を読んだり用語を覚えて試験を受けたりという感じでした。
shindanmaker.com


電子物性基礎

前後半で先生が異なっていて、正直前半の記憶が全くないです。
後半では結晶構造を持つ物質の電子物性の基礎を勉強しました。これもデバイス系だと必須だと思います。
毎週小テストがあって全問正解しないと何度も問題を解き直しになりました。もはや塾です。
そのおかげか確実に基礎は身に付いたと思います。

半導体バイス工学

ハンデュロデュロツヴァイシュヴァルツ。
4学期の電子デバイス基礎の延長という感じでした。よりダイオードの特性について詳しく見ていくといった内容だったと思います。
便乗元ではこの授業が2限だったとしていますが1限です。
なので僕はほとんど出席しませんでした。

数学2D

3単位分あったらしいです。
とにかく複素関数に関することをやっていた気がします。留数定理とか。
先生が一人いて、毎週レポートがあって、授業中に問題を解いて、学生の誰かがそれを板書して答え合わせをする、みたいな感じだったと思います。
試験は大変だったような……


ネットワーク工学概論

ネト工。
激しいセンスのスライドを見ながらネットワークについてのお話を聞く授業。1限だったのでたまにしか出ませんでした。
教科書は結構面白いってharazakiも言ってました。
試験は優秀なシケ対が作った用語集をひたすら覚えて何とかなった気がします。

電気回路理論Ⅱ

ロリ2。
ロリ論の続編ということでs平面上で回路網とか伝達関数とかフィルターとかを考える授業(だったらしい)。
前期実験のアナログ回路をやる前にこの授業をやっているとアナログ回路実験は少しラクになるらしい。
僕はもうなにも覚えていません。
覚えているのは先生が授業時間の半分以上を雑談に費やしていて、よくわからない授業内容を板書とにらめっこしながら何とか理解しようとしていた僕にとってはそれがノイズでしかなく常にイライラしていたことぐらいですかね。
当時もほとんど理解できていなかったのに試験の結果はなぜか優でした。多分採点ミスです。


工学倫理

当時は「何で法文まで来てこんなつまらん話を聞いてなきゃいかんのだ!!」とキレていましたが、今思うとかなり重要な講義だったと思います。
というのも研究をしているとそこそこの頻度で身近な人の倫理観の無さが垣間見えてしまうものです。
工学倫理は大事。ただしこの講義は虚無。


電子回路Ⅰ

http://amzn.asia/d/70TiCv5

特に言うことはないですが、僕は電子回路は何もわかりません。
皆さんは頑張ってください。

ハードウェア設計論

Verilogをいきなり書かされます。あまりにいきなりすぎてびっくりしちゃいます。
シケ対がいなければ多くの学生が爆死していたと思います。
何をするにもまずはルールを説明していただきたい。


電磁波工学

初回こそ多くの学生が教室にいましたが、回を追うごとにその数は減っていき最終的には十数人ぐらいになっていたのではないかと思います。
まあ控えめに言ってあの授業を105分ずっと真剣に聞けという方が無理な話です。
レポート作成のBGMとして先生の話を聞きつつ、20分に一度顔を上げるとさっきと同じスライドのまま……
そして購入した教科書を試験会場に持ち込んでその場で勉強しながら回答する試験。
最終回の授業のラストに先生が「それでは皆さん、ご静聴ありがとうございました。」と言ったことだけは鮮明に覚えています。
あ、スミスチャートは大きく印刷して持っていきましょう。

メディアコンテンツ特別講義Ⅰ(utmc1)

メディコン。
学外のすごい人を毎週読んで面白いお話を聞ける講義でした。Twitter実況大会と化していました。
本当にあらゆる分野の人が来るので飽きることもなく毎週楽しみにしていました。

その他

この頃になるとポケモンの対戦環境を整えて、初めてのレーティングバトルに挑戦していたと思います。
趣味としてはポケモンに最も時間を使っていました。

5学期まとめ

なにはともあれ実験が大変でした。しかし生活環境はよくなったので健康的な生活を送っていたと思います。
控え室で課題をやったりしていたのが懐かしいですね。


と、ここまで書いたところで9000字を超えたので分割します。
後編に続く。